長引く腰痛、その原因は腰以外の動きも関係しているかもしれません。
「マッサージを受けてもすぐ戻る…」その腰痛、諦めていませんか?
「何年も腰の重だるさが取れず、湿布や痛み止めが手放せない…」「朝、ベッドから起き上がるときに腰がズキッと痛むのが日常茶飯事…」「マッサージを受けるとその場は気持ちいいけれど、しばらくするとまた気になってくる…」そんなお悩みはありませんか?
長引く腰痛にはさまざまな要因があります。なかには、腰だけでなく、股関節や胸椎の動き、日常の姿勢・動作が腰への負担に関係しているケースもあります。
今回は、運動指導の現場でよく見られる「日常動作のクセ」という視点から腰への負担について整理し、自宅で試せる3つの運動をご紹介します。
⚠️ 先に医療機関の受診をおすすめする症状
以下に当てはまる場合は、エクササイズを行う前に医療機関へご相談ください。特に排尿・排便の異常や、急に足へ力が入らなくなった場合は、速やかに受診してください。
- 急に生じた強い痛み
- 発熱や原因不明の体重減少を伴う
- 転倒や事故の後から続く痛み
- 足の力が入りにくい、しびれが強くなる
- 排尿・排便の異常がある
- 安静時や夜間も強く痛む
- 腰痛があり、がんや骨粗しょう症などの既往もある
股関節・胸椎の動きと腰の負担の関係
トレーニング分野では、各部位に求められる可動性と安定性を整理する「Joint by Joint Approach」という考え方があります。動作を見るうえで役立つ理解のためのモデルの一つとして、簡単にご紹介します。
- モビリティ(可動性)が求められやすい部位:股関節、胸椎、肩関節など
- スタビリティ(安定性)が求められやすい部位:腰椎、膝関節、肘関節など
腰椎は回旋できる範囲が比較的小さいため、身体を大きくひねる動作では胸椎や股関節との連携が重要です。日常のデスクワークや姿勢の崩れなどで股関節や胸椎の動きが乏しくなると、かがむ・歩く・立ち上がるといった動作の中で、腰椎がその分を補うように働く場面が増えることがあります。
筋肉の緊張や負担が続くことが、痛みや重だるさに関係している可能性があると考えられています。ただし、腰痛の原因は姿勢や動作だけでなく、脊椎・神経・内臓・血管・心理社会的な要因など多岐にわたります。この記事の内容がすべての腰痛に当てはまるわけではない点にご留意ください。
日常動作を振り返るチェックリスト
日常の中で、ご自身の動作の傾向を振り返ってみましょう。
- 椅子に座るとき、背もたれにもたれかかってお尻を前に滑らせていることが多い(骨盤後傾)
- 立っているとき、お腹を前に突き出して片足に体重を乗せていることが多い(スウェイバック)
- 床の物を拾うとき、膝をあまり曲げずに腰だけを丸めて持ち上げることが多い
- 歩くとき、股関節ではなく腰を反らせるような感覚がある
該当する項目があっても、それだけで腰痛の原因や身体の異常が確定するものではありません。あくまで日常動作のクセを振り返るための一つの目安としてご活用ください。
股関節・胸椎を無理なく動かす3つの運動
股関節や胸椎の動きを見直すことで、腰への負担を減らすことを目指す運動です。自宅で試せる3種目をご紹介します。
⚠️ 動作中に痛みやしびれが出る場合はすぐに中止してください。症状や既往歴によって適する運動は異なりますので、不安がある場合は医療機関や専門家にご相談ください。
① 四つんばいロックバック(5回)
股関節から動く感覚をつかむための運動です。
- 床に四つんばいになり、両手は肩の真下、両膝は股関節の真下にセットします。
- 背すじを自然な状態に保ったまま、ゆっくり息を吐きながら、お尻をかかとへ向かって後ろに引いていきます。
- 股関節が折りたたまれる感覚を感じたら、息を吸いながら元の位置に戻ります。
腰を大きく丸めたり反らせたりせず、股関節を中心に動かす意識で5回繰り返します。
② キャット&カウ(5回)
背中全体(胸椎を中心に、腰椎も含めて)を丸めたり反らせたりして動かす運動です。
- 四つんばいの姿勢から、息を吐き出しながら、おへそを覗き込むように背中を丸めます。
- 次に息を吸いながら、肩甲骨を寄せて胸を前に開くように、ゆっくり背中を反らせていきます。
丸める・反らせる動きを、無理のない範囲で交互に5回行います。
③ ハムストリングスストレッチ(左右15秒ずつ)
太もも裏(ハムストリングス)をゆるめるストレッチです。
- 仰向けに寝て、片方の太ももの裏(膝の少し上)を両手で軽く抱え込みます。
- 太ももを胸に近づけたまま、息を吐きながら、膝をゆっくり伸ばしていきます。
- 太もも裏から膝裏にかけて心地よく伸びていると感じる位置でストップし、深呼吸を繰り返しながら15秒キープします(反対側も同様に行います)。
マッサージや腹筋運動との向き合い方
強い刺激のマッサージがすべての人に適するわけではなく、刺激量によっては痛みが増す場合があります。マッサージだけに頼らず、必要に応じて運動や生活環境の見直しも組み合わせることが大切です。
また、痛みがある状態で自己流の上体起こし(腹筋運動)を無理に繰り返すと、症状が増す場合があります。痛みの状態に応じて、無理のない範囲で運動を選びましょう。
まとめ:日常動作を振り返ることが、腰への負担を見直す第一歩
腰痛の原因は一つに断定できるものではありません。「年だから」と諦める前に、日常の姿勢や動作のクセ、股関節・胸椎の動きにも目を向けてみることが、腰への負担を見直すきっかけになるかもしれません。
「あ、今座っているときに腰だけで丸まっているな」と気づいてみる、違和感を覚えたら今日ご紹介した運動を試してみる、といった小さな積み重ねが、動きやすさの改善につながる可能性があります。
※本記事は一般的な身体の使い方についての情報提供を目的としており、効果を保証するものではありません。痛みが改善しない、繰り返し悪化する、または日常生活に支障がある場合は、自己判断を続けず医療機関へご相談ください。上記「先に医療機関の受診をおすすめする症状」に当てはまる場合は、エクササイズを行う前に受診してください。
参考情報
自分に合った運動方法やフォームを確認したい方は、トレーナーへご相談ください。なお、当サービスは医療行為・診断・治療を行うものではありません。
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